documentary of 乃木坂46「悲しみの忘れ方」

迷ってるのは私だけじゃないんだ
そばにいつだって誰かいる
いいこと1つ今日の中に見つけて
悲しみを1つ忘れようとしてきた



実は2回見ました。
チャンスがあればまだ見たいな…見られるのかな。
以下ネタバレあります。



AKB48公式ライバルとして誕生したアイドルグループ、乃木坂46のドキュメンタリー映画。

AKBのドキュメンタリーを実は1度も見た事が無かったので、ドキュメンタリーを見るのは初めてだった。

「悲しみの忘れ方」
このタイトルを最初に聞いた時は、正直うわあ…というネガティヴな感想だった。

またお涙頂戴か…勘弁してよ…
どうせ選抜から漏れたりセンター外されたりでずっと皆泣いてるんでしょう?


見終わった後、タオルを持っていた自分を褒めながら止まらない涙をぬぐっていたけれど、とても爽やかな気持ちになった。
予想していた「お涙頂戴映画」ではなかった。



「悲しみの忘れ方」
このタイトルの意味を根本的に誤解していた。
乃木坂46のメンバー達が、乃木坂46に入った事で次々に襲ってくる悲しみを忘れるためにもがく姿を見せられるんだと思っていた。


この映画の中で、メンバー達は加入前に抱えていた悲しみを、乃木坂46の中で忘れようとしていた。
明るく笑顔で歌い踊る彼女達は、皆つまずき挫折し乃木坂46にたどり着いていた。

「人生を変えたい」
「今の自分から変わりたい」
この思いを持って乃木坂46にたどり着き、ここにしか居場所を見つけられ無かった女の子達がいた。


この映画の中では、乃木坂46のこれまでの活動が記録されている。
その活動は楽しいことだけでは無く、皆苦しみ涙を流しながら、それでも立ち上がって前に進んでいく。

「昔の自分は好きじゃない」から、変わりたいからここで頑張るしかない。
その覚悟があるから、悲壮感だけではない前を向いて立ち上がり続ける姿に勇気をもらった。


映画の中でメインとなるのは5人のフロントメンバー。
以下1人ずつの感想。




生駒里奈さん★
少年漫画の主人公だった。
そしてやっぱり乃木坂46の主人公は生駒ちゃんで、他の誰がセンターになろうと、生駒ちゃんがどこに立っていようと、生駒ちゃん以外は主人公にはなれないんだと改めて思った。
ぼろぼろになって、1人きりで立ち上がり続け、強くなっていく少年漫画の主人公。
生駒ちゃんの成長物語が乃木坂の成長物語なんだと思った。
印象的なシーンは、プリンシパルの舞台裏のさゆりんとの喧嘩のシーン。
そして喧嘩の後、糸が切れたように泣きじゃくる姿。
君の名は希望の後センターを外され、駐車場でくるくる踊る姿。




白石麻衣さん★
強い人。
映画の中で繰り返しまいやんは「私は弱いから、」と言っていた。
自分の弱さを知っているから、強くなろう完璧になろうとして強くなった人だと思った。
印象的なシーンは、代々木のコンサートのシーン。「いくよー?」とにっこり笑って言い、ガールズルールのサビをセンターで全力で歌い踊る姿。それを見て何故だか分からないけど涙が出た。
そして、孤立するさゆりんを握手会で抱きしめるシーン。





生田絵梨花さん★
天才生田絵梨花の生身の人間としての姿を見た。
いくちゃんは天才だから、そう思いこもうとしてきたんだと気付いた。
天才なんかじゃない(天才じゃないという言い方はおかしいかな)、努力をして誰よりも努力することで、生田絵梨花になったんだと気付いた。
印象的なシーンは、福神から外され部屋の隅で悔しさを隠しきれず泣くシーン。
プリンシパルのオーディションで歌詞を飛ばすシーン。
西武ドームで「あなたのために弾きたい」を歌うシーン。





橋本奈々未さん★
人間らしい人。
自分は現実を見ているということを、何度も繰り返しアピールするところが逆に年相応の女の子らしくてとても可愛いと思った。
私は「あまちゃん」のアキの、「ダサいぐらいなんだよ、我慢しろよ!」という台詞がすごく好きなんだけど(あまちゃんのこと、こんど書きたいな)、ななみんは自分のダサいところかっこ悪いところをすごく自然に受け止めているような気がした。
あと本当にななみん綺麗になった。1番垢抜けたのはななみんかもしれない。
印象的なシーンは、生駒ちゃんとさゆりんの喧嘩に何も言えず見ているシーン。
さゆりんの不倫相手に怒りを露わにするシーン。不倫相手を責めるメンバーはいなかったと思うのでとても新鮮だったし、それを口に出してしまうななみんの素直な感性が好きだと思った。




西野七瀬さん★
よくも悪くも「女の子」。
女の子のすごく優しいふんわりした側面と、女の子の怖い側面を持っているところがなあちゃんの魅力なんだと思った。
もろくて傷つきやすいから守ってあげたくなる側面と、1人で立ち上がり歩き続けるたくましさを持っている不思議な子だと思った。
初期なあちゃん、今と全然雰囲気が違うなあ。ギャルっぽくて初期なあちゃんとても可愛いと思った。ダンス部時代の一瞬流れる映像がとても可愛かった。
印象的なシーンは、部屋で「孤独ですよ」と呟くシーン。
さゆりんの不倫に対して「怒ってない子いなかったんじゃないですか?」とさらりと言うシーンの怖さ。




ずっと1期生の物語で、2期生が全く出てこないので、うーん…と思うところはあったけれど、ラストシーンはこうくるか…と膝を叩きたくなる爽快感だった。

無限に未来があると思った。
グループとしての未来というよりは、彼女達それぞれの未来が無限にあると思った。
ずっと泣きながら見ていたし、終わった後もしばらく泣いたけどなんだかすっきりして爽やかな気持ちになったのは、ラストシーンのおかげかもしれない。



そして、劇中で使われる去年の神宮ライブで披露された「君の名は希望
やはり名曲だと思った。

「こんなに誰かを恋しくなる自分がいるなんて」
「君の名前は希望と今知った」

この曲をブログのタイトルにしたのは、私がアイドルを見るときいつもこの曲を思い出して上の歌詞が頭に浮かぶから。
1番好きな曲は実は「君の名は希望」ではないのだけど笑、それでもこれから先乃木坂46を思い出す時浮かぶのは「君の名は希望」なんだろうと思った。


ラストで流れる主題歌「悲しみの忘れ方」
音源化されていないのが本当に惜しいぐらいの名曲だと思う。

「いいこと1つ今日のなかに見つけて、悲しみを1つ忘れようとしてきた」

この歌詞ワンフレーズだけで、この映画が描いたことを表現しているのが凄いと思った。




本当に見てよかった、心の底から思える映画だった。
「いいこと1つ今日のなかに見つけて、悲しみを1つ忘れようとしてきた」
私も毎日のなかで嫌なことや苦しいこともあるけれど、自分で悲しみを忘れるために精一杯生きていこうと思った。
勇気をもらえる希望の沢山詰まった映画だった。